1999 年 1999 巻 623 号 p. 153-162
近年さまざまな分野で地球環境の悪化が論じられており, 社会基盤施設の建設においても, エネルギー・資源と環境の持続的な保全を可能にするシステムの構築が求められつつある. 本研究は, 建設工事におけるエネルギー使用量・環境負荷の実態を把握し, これらを考慮した新しい設計法の構築を目指すものである. 具体的には二酸化炭素排出量をエネルギー使用量・環境負荷の指標として用い, 一定の構造物の信頼性のもと, 二酸化炭素使用量と経済性 (コスト) など複数の指標を評価要素とし, 多目的意思決定手法の内, 階層分析法と多属性効用分析法を用い, 海上埋め立て地の護岸を例題として, 複数の設計代替案より最適なものを選択する手法を研究した.