2003 年 2003 巻 734 号 p. 129-133
1998年から2000年までの東京郊外における悪性新生物の環境リスク要因を解明するために, 地理情報システム (GIS) を用いたケースコントロール研究を行った. GISを用いて悪性新生物による死亡と処分場への近接関係を検討し, さらに各臓器のオッズ比およびそのオッズ比に対する95%の信頼区間を算出した. 解析結果では廃棄物埋め立て処分場が悪性新生物による死亡の環境リスク要因であることが示され, 廃棄物埋め立て処分場周辺に住んでいる地元住民は, 悪性新生物による死亡リスクが有意に高くなることが明らかになった.