2003 年 2003 巻 740 号 p. 95-107
河川流が卓越する河口部を対象にして, 河口噴流の流速分布とそれによって形成される河口テラスの初期堆積形状を予測する数学モデルを提案した. 横断方向の流速分布および浮遊砂濃度の相似性を仮定し, 流れの運動方程式および浮遊砂の移流分散方程式を横断方向に積分することによって得られる簡便な常微分方程式を解くことによって流速分布および浮遊砂濃度分布を求めている. さらに流速および浮遊砂濃度分布から掃流砂および浮遊砂によって形成される河口テラスの初期堆積形状を求めた. 解析の結果, 掃流砂が支配的であるとき, 噴流の流軸上に堆積そしてその両側に侵食が生じ, 浮遊砂が支配的で移流拡散の影響が比較的小さいとき, 流軸上に侵食そしてその両側に堆積が生じることが明らかとなった.