過去18年間に当科で経験した成人発症Still病(AOSD) 14例について,その臨床像を検討した.男女比は1:1で,男性例の平均発症年齢は26.6±8.3歳,女性例は30.6±13.9歳であった.高熱と関節炎は100%に認められ,肝風,脾腫,リンパ節腫脹が症例の50%にみられた.皮疹は85.7%にみられ,定型的皮疹と診断されたものは64.3%であった.胸膜炎,心膜炎,神経症状は7.1%に認められた.症例の57.1%に咽頭痛が出現した.経過中に50%が腹痛を訴え,続発性アミロイドーシスの合併が14.3%に認められた. Sjögren症候群の合併が14.3%に,頸椎の狭小化が28.6%に認められ,過去に報告されている以上にこれらの合併率が高かった.また血清中の可溶性interleukin-2 receptorレベルを検討したところ,健常者との比較で有意に高値を呈し, AOSDにおいても臨床的パラメーターとなり得ることが示唆された.