日本臨床免疫学会会誌
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難治性の筋炎に対しメトトレキサートが有効であった混合性結合組織病の小児例
中田 節子上松 一永森 哲夫満下 紀恵木下 達也石岡 千寛武藤 庫参横田 俊平広瀬 安之小宮山 淳
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1997 年 20 巻 3 号 p. 178-183

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抄録

小児期発症の混合性結合組織病(MCTD)の一女児例を報告した.症例は13歳の女児, 5歳時に耳下腺腫脹が出現したが自然消退した. 12歳から手指の関節腫脹,多関節痛が出現, 13歳から全身の筋力低下,レイノー現象および耳下腺腫脹が出現したため入院した.手指の皮膚硬化, %VCの低下,筋電図の筋原性異常所見,抗RNP抗体陽性,アミラーゼの上昇,口唇組織の唾液腺の破壊とリンパ球の浸潤からSjogren症候群を合併した混合性結合組織病と診断した.パルス療法を含む副腎皮質ステロイド治療では,筋力低下およびCK高値の改善はなかった.メトトレキサート(MTX)(7.5mg/週)の内服により,臨床症状とCKの著明な改善が認められた.ステロイド抵抗性の著しい筋炎を合併したMCTDに対し, MTXは試みるべき治療法と考えられる.

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