日本透析療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-6211
Print ISSN : 0911-5889
ISSN-L : 0911-5889
急性腎不全を合併した血友病Aの1症例
大園 史郎保元 裕一郎外山 幹樹潤田 裕二山下 亙大崎 和弥中島 晢原田 隆二橋本 修治
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 23 巻 2 号 p. 163-166

詳細
抄録

血友病に, 急性腎不全を合併した稀な症例を経験した. 症例は, 23歳男性, 2歳の頃より血友病Aの診断をうけていた. 昭和63年1月23日肉眼的血尿及び腰痛が出現し近医受診, 無尿となったため3日後, 急性腎不全の診断のもとに当院に紹介入院となった. 腹部CTにて両側腎盂尿管内の血液凝固塊と両側腎の腫大を認め, BUN 38.1mg/dl, Cr 7.6mg/dl, UA 10.6mg/dlと上昇し腎内及び尿管出血に伴う凝血塊による尿管閉塞を原因とした急性腎不全と診断した. 第VIII凝固因子製剤の静注により凝固系のコントロールを行ないFOY及びEVAL膜の使用で凝固因子の消耗を抑え, 計4回の血液透析を施行, 入院第25病日目に24hrCCr 104l/dayと腎機能の改善を認め, 入院第33病日目に退院となった

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top