日本透析療法学会雑誌
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マムシ咬傷後に横紋筋融解による急性腎不全を併発した2症例
三浦 洋早野 恵子井野辺 義人福井 博義
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キーワード: マムシ咬傷, 急性腎不全
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1991 年 24 巻 5 号 p. 651-655

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抄録

マムシ咬傷による横紋筋融解症から急性腎不全を来たし, 救命し得たもののDIC, 消化管出血等の合併症を伴って重篤な経過を辿った2症例を報告する. 両症例共に受傷後, 広汎な局所病変を呈し, 入院時検査においてBUN, creatinineの上昇と共にLDH, CPKなどの筋由来酵素群の上昇がみられ, さらに血中, 尿中のmyoglobinの高値も認めたことから, rhabdomyolysisによる急性腎不全を発症したと考えられた. 症例1は蛇毒中の血液凝固因子の作用によりDICを併発したことから, また症例2は大量の消化管出血を伴ったことから, いずれも重篤な経過を辿った. 局所病変の強いマムシ咬傷例は, 重篤な合併症に注意して診療にあたるべきと思われた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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