1992 年 25 巻 11 号 p. 1241-1245
末期腎不全の高齢者に対して透析導入前後の合併症を予防し社会復帰を早めることおよび通院負担を減少させることを目的として, やや早期に週1回の透析を開始する週1回透析導入法を試みた. 対象は心不全症状を認めず, 導入時の血清Crが13mg/dl以下の11例 (年齢68-82歳, 平均74±4歳. 血清Cr8.2-12.3mg/dl, 平均9.9±1.3mg/dl) である. 週1回透析は1.5-13か月 (平均6.6±4.4か月) の間, 合併症を起こすことなく安全に継続できた.
その後週2回透析へ移行したが, 週1回透析中止の主な理由は検査値 (BUN, Cr) の上昇6例, 透析間の体重増加4例であった. やや早期に週1回の透析を開始する週1回透析導入法は高齢者腎不全に対する, ひとつの有用な導入方法と思われる.