8チャンネル長時間記録装置 (Oxford-Medilog9000) にて, 睡眠段階毎の心拍数, 呼吸数, 自律神経機能 (特に迷走神経機能) 評価を行った.対象は, 入院患者9名 (男性6例, 女性3例) , 平均年齢56.8±9.7歳 (41～74歳) .基礎疾患は, 睡眠時無呼吸症候群2例, 心房細動2例, 陳旧性心筋梗塞, 労作性狭心症, 高脂血症, 脳出血, WPW症候群各1例であった.全睡眠時間は平均341.2±69.3分で, stage-3, 4 (slow wave sleep: SWS) は29.1±14.4分 (8.5%) と短縮していた.段階別心拍数はSWSで低下し, REM時増加したが有意でなく, 呼吸数はstage-1で低下し, REM時有意に増加した.心拍変動性 (RR50) は, stage-2, REMでstage-1に比べ有意に低下 (p<0.05) した.呼吸循環系に障害を持つ患者や高齢者では, stage-1, 2での周期性呼吸の心拍数への影響が強く考えられた.24時間ポリグラフィックモニターリングは睡眠障害, 迷走神経機能低下の定量診断が可能であり, 疾患の重症度評価における有用性が示唆された.