ニホンウナギ鰾線虫と共通抗原を持つ回旋糸状虫に対するマウスモノクローナル抗体を用いた競合 ELISA により, ウナギ血清中の鰾線虫に対する特異抗体の検出を試みた。感染魚血清で高い競合反応が認められた。特に外皮抗原を用いた場合, 感染魚血清の陽性率は95%, 非感染魚血清の偽陽性率は0%であった。一方, 抗ウナギ IgM ウサギ抗体を用いた間接 ELISA では, 陽性率は80%, 偽陽性率は20%であった。競合 ELISA が間接 ELISA に比べて特異性の高い検出系であり, 本症の感染判別法として有効であることが示された。