日本栄養・食糧学会誌
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ラット乳腺における食物アレルゲンの乳汁移行に関する超微形態学的・免疫組織化学的研究
白石 美恵馬場 良子藤田 守
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2002 年 55 巻 3 号 p. 157-163

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抄録

休止期, 妊娠期, 授乳期 (出産後0, 7, 14日目) および離乳期ラットの乳腺において, 母体内のアレルゲンが母乳中へ移行するかを知る目的で, 光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて, 形態学的および超微形態学的観察を行った。さらに授乳期ラットの血管内にオボアルブミンを投与し, 乳腺組織を用いて免疫組織化学的検索を行った。光学顕微鏡的観察の結果, 授乳日数の経過とともに腺胞の発達がみられ, 腺腔も拡大した。電子顕微鏡的観察の結果, 授乳期において, 立方状と扁平状の乳腺上皮細胞が観察された。免疫組織化学的検索の結果, 血管内に投与したオボアルブミンの反応産物は, 血管内, 結合組織内, 乳腺上皮細胞内, さらに, 腺腔内および導管内に認められた。これらのことから, 授乳期において, 母体内の食物アレルゲンの一部は血管側から乳腺上皮細胞を通過し, 母乳中へ移行する可能性が示唆された。

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