表面科学
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プロセス技術 (化合物半導体)
浅川 潔
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1989 年 10 巻 10 号 p. 732-737

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抄録

III-V族化合物半導体の電子・光素子の集積化に必要な, 低損傷・高平滑なドライエッチングの最近の研究成果を述べる。本研究では, 特に電子や光の活性領域への微細加工が可能なように, 加工面が原子層レベルで滑らかで, 汚染がなく, 加工損傷が十分抑制されることを主眼とした。このため, 従来主として, Si-LSIで用いられたプラズマエッチングに比べて, エッチングの反応素過程の高制御化・高精密化を達成すべく, 装置の高清浄化・エッチングパラメーターの高制御化に努めた。そこでは, 高清浄プラズマであるECR型RIBE (反応性イオンビームエッチング) を主体に, 超高真空技術・ “その場” 表面分析技術等の新しい試みを取り入れた複合ドライエッチング装置を製作し, 従来にない高清浄なドライエッチングを達成した。本稿では, i) GaAs・AlGaAsの高度な平滑・垂直エッチングの達成, これを利用した垂直加工共振器端面レーザーの実現, 及び優れた特性の確認, ii) 超高真空装置に適用可能なラジカルビームによる表面クリーニングの提唱及び有効性確認, を中心に述べる。

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© 社団法人 日本表面科学会
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