表面科学
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III-V族化合物半導体の表面・界面
長谷川 英機
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1989 年 10 巻 10 号 p. 838-849

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抄録

半導体のつくる表面・界面は, 半導体デバイスの基本構成要素であり, デバイスの微細化・多層化の進展とともに, その原子・分子レベルでの理解と工学的制御がより重要となる。ここでは, III-V族化合半導体の種々の表面・界面に関する研究の現状を, 主として実験的立場から概観している。
まず, 表面, 半導体-半導体界面, 金属-半導体界面, 絶縁体-半導体界面のそれぞれについて個別的に述べた後に, 最後にこれらの表面・界面に相互に関連性が存在することを指摘し, これを説明する界面のモデルについて概要を述べている。清浄表面の原子配列, 半導体-半導体界面のバンド不連続, ショットキー障壁とオーム性接触, 表面不活性化, 界面におけるフェルミ準位のピンニングなどをとり上げその理解と工学的制御の現状を述べるとともに, 界面の代表的モデルである “統一欠陥モデル”, “MIGSモデル”, “統一DIGSモデル”, “実効仕事関数モデル” について議論している。

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© 社団法人 日本表面科学会
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