表面科学
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ガスセンサ
白鳥 昌之
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1989 年 10 巻 11 号 p. 925-932

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抄録

本論文は,現在実用化されているガスセンサについて,半導体式センサを中心に解説したものである。半導体式センサは接触燃焼式あるいは熱線半導体式と同じく,主として可燃性ガス検出用に用いられ,その他固体電解質式及び隔膜ガルバニ電池式センサは酸素センサとして,また定電位電解式は特殊ガス用に使用されている。半導体式センサの構造は直熱型と傍熱型に大別でき,傍熱型はさらに半導体と触媒材料の一体型と,触媒材料が分離して形成された2層構造型の2種がある。半導体式センサによるガス検出は,半導体表面において吸着酸素と被検ガス(還元性ガス)との酸化反応が起こり,その結果,吸着酸素から半導体へ電子が移行することによって生じる半導体の電気伝導度変化を用いたものである。吸着酸素については,TPDあるいはオージェ分光法等で調べられている。酸素を含めた各種気体の反応性は用いる触媒に大きく依存し,種々のガス感度特性,選択性が得られることになる。現在実用化されているセンサの半導体材料としては酸化スズが大半を占めており,その他酸化亜鉛,酸化鉄が一部使用されている。

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