シリカゲル, アルミナ, ゼオライトなどの吸着剤がファインケミカルズ合成を指向して利用される。利用のされ方を吸着剤と反応分子のかかわりから観ると, 反応分子が弱い相互作用で吸着するものから強い相互作用で吸着するものまであり, その強さにより吸着剤は, (1) 弱い相互作用による吸着を伴う反応の場として, (2) 酸塩基触媒として, (3) 強い相互作用による吸着 (新たな化学種の生成) を伴う反応場として, あるいは (4) 分子固定の担体として用いられる。吸着剤上に吸着する反応分子の濃度や吸着姿勢, 化学的性質, 集合状態などが制御されることから, 反応が分子面の一方からのみ起こる効果や, 溶液反応における溶媒の “かご効果”, 吸着分子の化学種の変化により新たな反応性が発現する効果が生じ, 高選択的合成が行われる。