表面科学
Online ISSN : 1881-4743
Print ISSN : 0388-5321
ISSN-L : 0388-5321
科学捜査 : 残された証拠を探る
全反射蛍光X線分析法の応用
二宮 利男野村 恵章谷口 一雄
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 11 巻 3 号 p. 189-194

詳細
抄録

科学捜査分野においては, 微細な資料が事件解決の重要な鍵となることがあり, 資料の分析に際しては種々の制約から迅速性, 高感度, 非破壊性等が要求される。
最近, 高感度の非破壊成分分析法として全反射蛍光X線分析法が注日されはじめている。この全反射蛍光X線分析法は通常の蛍光X線分析法と異なり, 励起X線を試料面に対して1度以下の非常に低角度で照射し, 励起に寄与した試料からの蛍光X線のみを半導体X線検出器で検出する方法で, バックグラウンドを非常に低くすることが可能で微量成分を高感度で検出できるという特徴を有しており, 科学捜査分野に適した分析法といえる。
本報告では, この全反射蛍光X線分析法を水溶液, 布地, プラスチック, 口紅, 朱肉, 生体試料に応用した例について述べる。

著者関連情報
© 社団法人 日本表面科学会
前の記事
feedback
Top