高分子LB膜は, (1) LB膜の重合, (2) L膜の重合とLB化, (3) 高分子自体のLB化, に大別されるが, このうち, (3) の方法論は, 最近に至るまで詳細な検討がなされていなかった。一般に高分子は, 無限希釈溶媒中でも “糸まり (entangled strands)” 状の集合状態にあり, 従ってLB膜になりにくいからである。本稿では, L膜, LB膜が形成されるための高分子構造に係わる要件を先ず議論し, 次にα, β-ないしα, α-二置換ポリオレフィン類のLB膜の特徴について概説する。