真空紫外域における高出力コヒーレント光源である希ガスエキシマレーザーを非晶質石英と結晶石英に照射した時, 石英のバンドギャップエネルギーを越える9.8eVのフォトンエネルギーを持つアルゴンエキシマレーザーの場合には, 石英表面から多量の酸素が脱離し, シリコンの析出が見られる。一方, 石英のバンドギャップエネルギーより低い8.5eVのフォトンエネルギーしか持たないクリプトンエキシマレーザーの場合には, この様な現象は見られない。これはアルゴンエキシマレーザーによって生成される励起子が酸素脱離の基礎過程であることを示している。本稿では, 電子ビーム励起希ガスエキシマレーザーについて簡単に紹介した後, 石英における照射効果について述べる。さらに, 紫外域希ガスハライドエキシマレーザーを照射した時の石英における欠陥形成に関する研究についても述べ, 上記の結果と比較検討する。