表面科学
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光固定化バナジウム酸化物触媒の調製とその上での光触媒反応
安保 正一
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1990 年 11 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

担体表面上に吸着したVOCl3を光照射により励起し室温で担体表面水酸基と反応させて固定化バナジウム酸化物触媒を調製した。触媒の低温でのリン光スペクトルとその微細構造の解析やESRによるV4+種の配位構造の検討から, この方法で調製した触媒では四配位構造をもつバナジウム酸化物種が高分散状態で固定化されていることがわかった。この光固定化バナジウム酸化物を光触媒として2-ブテンのシス トランスおよび2-ブテン 1-ブテンの異性化反応が高収率で進行する。酸素を添加すると光触媒異性化反応は抑制され, 代わってブテンの光触媒酸化反応が進行する。触媒のリン光収率と光触媒反応の速度の間には良い平行関係がみられ, これらの光触媒反応が光励起により生成する四配位構造のバナジウム酸化物種の電荷移動型の励起種, (V4+-O-) *の高い反応性により誘起されることが明らかになった。

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