表面科学
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コロイド分散系に見られるさまざまな誘電挙動
相界面での電荷蓄積による誘電緩和現象の意味と実例
花井 哲也
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1991 年 12 巻 1 号 p. 14-21

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抄録

分子溶液, すなわち分子均質混合系と対比して言うならば, コロイド分散系とは, 同種分子が集団を形成して不均質に混合した状態であると言えよう。この分子集合体が或る程度大きくなると, 巨視的な相の概念を持つようになる。したがってコロイド分散系は, 相界面の濃密な状態である。
コロイドの粗大分散系のさまざまな誘電特性は, この栢界面・相表面の存在に起因するものである。これらの誘電特性を解析すると, コロイド分散系を構成する成分相の誘電率・導電率や構造に関する知見を得ることができる。

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© 社団法人 日本表面科学会
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