HF洗浄によって作製した水素終端シリコン(100)表面の酸化過程を,低酸素分圧下での昇温脱離分析を主な解析手段とし,表面からの水素の脱離と,シリコンと酸素,水の反応に着目して調べる。酸化は,400℃での水素の脱離(SiH2→SiH+1/2 H2)では起こらず,500℃(SiH→Si+1/2 H2)でベアシリコンが現れたときに初めて,酸素や水が作用して起きる。さらに,800℃で酸化反応が促進され,低酸素分圧下では表面のエッチングが,高酸素分圧下では酸化膜が形成される。温度をパラメータとした,水素終端シリコン表面の酸化モデルを提案する。