1991 年 12 巻 10 号 p. 596-602
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各種の表面分光法により得られる知見を中心にゼオライト表面の物理的,化学的特性を概説した。外表面の組成とバルク組成の比較,イオン交換や脱アルミニウム処理による外表面組成変化,外表面修飾による触媒選択性,細孔入口径制御時の修飾剤分布の重要性について述べた。反応,吸着場であるゼオライト細孔表面の電子状態をXPSの結合エネルギーの組成,カチオン依存性から検討した結果を紹介し,電気陰性度平均化原理より得られる電荷密度との比較を行った。両者はよい対応関係にあり,共にA1量の増大,カチオンの電気陰性度の減少とともに格子酸素の塩基性が増大することを示している。ゼオライトの電子状態と塩基触媒作用,静電場,塩基の吸着による酸点のキャラクタリゼーションに関してもふれた。