表面科学
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走査型顕微鏡(SXM)
凹凸を計る道具としてのSTM
安達 洋
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1991 年 12 巻 10 号 p. 644-650

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抄録

STM(走査トンネル顕微鏡)は原子のレベルの分解能がある顕微鏡として登場して約10年が経つ。STMは原子の分解能があるはずなのに,μm程度の広い範囲を走査してみると,分解能が極端に低下する。その大きな原因として,トンネル電流が極端に狭い電極間にしか流れないことと,探針が硬いこと,探針駆動回路に十分な高周波特性が期待できないことなどが考えられている。少なくともμm程度の走査をすると,試料探針間に流れる電流は,トンネル電流とは違っているはずであるが,その詳細はいまのところ不明であり,像の解釈を難しくしている。ここでは,その解決策として種々のSTMの変形が考えられてきたものに対して,SXMとして総称して紹介する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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