表面科学
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電荷変換衝突過程と固体表面
今西 信嗣大平 俊行
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1991 年 12 巻 2 号 p. 85-91

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抄録

イオンが物質中を通過すると構成原子と衝突して,電荷変換衝突が生じる。比較的エネルギーの高いイオンの電荷変換衝突が固体表面とのかかわりで検討されたことは,これまでほとんどなかった。これは電荷変換断面積が非常に大きいため平均自由行程が非常に短く,表面被覆層の影響を著しく強くうけ,媒質依存性がほとんど観測されなかったことによる。したがって,固体表面を清浄に保つ技術が確立してくると,こんどは固体の極表面の原子配列等の情報を得たり,表面被覆層の有無を容易にしらべうる道具に使える可能性がでてきた。ここではNiSi2(111)表面からの水素イオンの電荷分布の出射角依存性,出射エネルギー依存性についての実験結果を解析し,固体の極表面の原子配列や表面に吸着する不純物層の構造解析への応用について解説する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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