表面科学
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脂質/水界面におけるタンパク質の結晶成長
宇高 融八瀬 清志
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1992 年 13 巻 3 号 p. 128-132

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抄録

一般に極微量しか得られないタンパク質などの生体高分子の構造を議論するために, 2次元結晶化によって試料を作製し, 電子顕微鏡を用いる結晶構造解析が盛んに行われている。気/水界面・液/液界面・水銀表面などを利用した2次元結晶化の努力が行われているが, その過程を詳細に検討したものは少ない。
そこで, Subphase上の脂質展開膜にタンパク質分子が吸着, 結晶化していく過程を電子顕微鏡観察し, その2次元結晶成長の機構を解析した。
試料は, 脂質分子としてN, N-dimethy1-dioctadecy1-ammoniumbromide, タンパク質として馬脾臓由来のferritinを用いた。脂質展開膜 (従来のLB法とは異なってSubphase上に脂質分子を展開して製膜するのみで “圧縮操作” は行っていない) への吸着の様子をタンパク質注入後の時間をパラメーターとして, 吸着分子数, 結晶核の個数と形態の変化を透過型電子顕微鏡によって観察した。その結果, 時間に比例してタンパク質の吸着分子数が増加することと, 結晶核の発生および核成長の様子を定量化した。

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