放射光を用いた表面EXAFSの多様な測定法とその特徴について紹介し,触媒研究への応用の現状と将来の可能性について述べる。本来バルクの測定法である透過法は担持触媒に関しては表面の活性種の局所構造に関する有効な解析手段であり,実際,触媒研究に最もよく応用されている。測定セルの工夫などにより,反応場における触媒構造の解析など新しい試みが示された。真の意味の表面EXAFSの測定法として触媒研究への応用が期待される蛍光X線法,全電子収量法,オージェ電子収量法などをとりあげ,それぞれの表面選択性,感度その他の特徴を比較した。また,それらの測定法を複合したEXAFS測定装置によりEXAFSから局所構造, XANESおよび光電子スペクトルなどから酸化数や電子構造など化学結合状態に関する情報が同時に得られる可能性が示された。