走査型トンネル顕微鏡を基礎として,さまざまな物理量を画像化できる走査型プローブ顕微鏡(SPM)技術が進展している。本稿では,SPM ファミリのひとつとしてサンプルの磁化状態を大気中で非接触,非破壊のまま測定できる磁気力顕微鏡(MFM)について,その測定原理を中心に概説するとともに,これを用いた測定例を紹介する。さらに MFM を評価・分析装置としてのみならず,積極的にサンプルに働きかける磁気的なマニピュレータとの考えから,これを高密度記録に応用するための基礎検討の経過と最近の結果についても言及する。