表面科学
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マイクロカー効果顕微鏡による高周波磁化挙動の観察
濱川 佳弘
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1992 年 13 巻 9 号 p. 551-557

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抄録

マイクロカー効果顕微鏡は,磁気光学効果のひとつであるカー効果現象を利用した磁化状態観察装置である。近年の画像処理技術の進歩ともあいまって,微小領域の磁化状態解析の有力な武器になってきた。本稿では,高周波での磁化回転量が観察できる走査型カー効果顕微鏡,各位相における磁区構造が観察できるストロボカー効果顕微鏡について紹介した。これらの装置は,特に小型化,高周波化する磁気ヘッド磁性膜の高周波磁化状態を観察する手段として広く利用されている。さらにこれらによって,高周波での磁壁移動など,マイクロマグネティクスの観点からも新しい知見が得られており,新しい高周波磁化挙動に関する理論の構築が期待される。

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© 社団法人 日本表面科学会
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