表面科学
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表面原子の磁性
新庄 輝也
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1992 年 13 巻 9 号 p. 558-563

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抄録

磁性体の性質は,それぞれの原子に磁気モーメントが存在し,小さな磁石として振舞っていると見なして,ある程度理解することができる。たとえば,強磁性体である金属 Fe では各原子は 2.2 ボーア磁子の磁気モーメントをもち,キュリー温度(770℃)以下ではそれらがすべて平行に整列していることが知られている。しかし表面層の原子にも同じ大きさのモーメントが存在するであろうか。筆者は20年以上前からこの問題に興味を抱いてきた。現在では,表面原子にも磁気モーメントが存在することは認識されているが,表面の磁気的性質がどの程度まで理解できたといえるだろうか。過去の研究の進展を振り返りつつ現在の研究課題を紹介してみたい。

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© 社団法人 日本表面科学会
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