表面科学
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表面界面構造解析におけるイオン散乱法の特徴
尾浦 憲治郎
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1993 年 14 巻 7 号 p. 382-384

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抄録

表面あるいは界面の構造解析手法の一つとして,広く用いられているイオン散乱法について,その特徴,利点および解析限界などを概説する。 イオン散乱法は,エネルギーと方向のそろったイオンビームを固体試料にあて,そこから散乱(反跳)されるイオンや原子の種類やエネルギーを解析することにより,表面や界面の構造を調べるものである。その特徴は,(1)常に元素の種類を区別しながら,それらの配列構造を解析できる,すなわち,元素分析と構造解析が同時にできる。(2)散乱過程がよくわかっており,しかも古典的粒子として取り扱えるので,定量的なデータが得られ,しかもその信頼性が高い。(3)イオンのエネルギーを適当に選ぶことにより,表面最外層の解析から,深さ1ミクロン程度の埋もれた界面の構造まで調べることが可能である。(4)0.1オングストロームの分解能での構造解析を実空間でできる。ことなどである。

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© 社団法人 日本表面科学会
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