表面科学
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SIMOX技術によるSOI (silicon-on-insulator) 構造の形成過程
吉野 明
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1994 年 15 巻 2 号 p. 101-105

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抄録

SIMOX (separation by implanted oxygen)は,通常の単結晶シリコン基板の内部に高濃度の酸素イオンを注入した後,高温での熱処理を行うことによってSOI (silicon-on-insulator)構造を形成する技術である。シリコン基板の表面近傍に注入された酸素原子とシリコン原子の化学反応によってSiO2層が合成される間に,このSiO2層の上部では固相エピタキシャル成長が進行し,見事な単結晶シリコン薄膜と急峻なSi/SiO2界面を有するSOI構造が形成される。この表面現象では,酸素原子とシリコン原子の再配列過程が絶妙な速度バランスを保って進行するのである。本稿では,SIMOX技術によるSOI構造形成過程の一端を紹介する。

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