表面科学
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CVDのシミュレーション
移動現象,反応のモデル化
今石 宣之秋山 泰伸
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1994 年 15 巻 4 号 p. 233-239

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抄録

CVD法はエレクトロニクスなどの諸工業分野で盛んに利用されている薄膜形成技術であるが,その物理的,化学的な機構に関する知見は十分とはいえない。最近,さまざまな実験手法やシミュレーション法などが開発されCVDについての知識が増えつつある。ここではわれわれのグループで取り扱った金属複酸化物(YSZ)膜のCVDについてのモデル化,解析手法,その結果について紹介する。 CVD系においては,気相反応,表面反応が共に関与しており,さらに反応装置内の流れ・伝熱(温度分布)・拡散(濃度分布と反応)が互いに関連しあっている。このように複雑なCVD反応を解析する手段として,ミクロ・マクロシミュレーションを提案した。気相反応については,反応器内の成膜速度分布のマクロスケールのシミュレーションにより,また表面反応についてはμmスケールのトレンチ上の成膜形状に関するミクロシミュレーションにより決定することができた。YSZ膜の成長に関しては,その構成成分(ZrO2,Y2O3)の単成分系の成長特性の単純な加成性によって,成膜速度や膜組成を説明することができた。このようなCVDモデルを用い速度定数を決定すれば,任意の装置における成膜速度分布特性を予測することができる。

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© 社団法人 日本表面科学会
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