表面科学
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走査型振動電極による局部腐食反応のin situ観察
石川 雄一Hugh S. ISAACS
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1994 年 15 巻 7 号 p. 426-432

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抄録

金属表面での腐食溶解反応により生じた電流密度分布をin situ,リアルタイム観察できる走査型振動電極について概説する。振動電極は腐食溶解で流出する電流が溶液抵抗により形成した電位勾配を測定するものである。検出する電位勾配の大きさと電極の表面からの高さの関連について示した後,局部腐食反応の解析に適用した例をいくつか紹介する。これらは電流密度分布図,局所領域の分極挙動,そして電流密度ベクトルからの解析の三つに大きく分けて示す。孔食から全面腐食への移行,インヒビター添加による全面腐食の局所化,半田づけ接合部の異種金属接触による局部腐食などのビジュアライゼーション,そしてピットや単一結晶粒の電気化学分極曲線と試験片全体の分極曲線の違い,さらに電流ベクトル表示によるアノードからカソードへの電流流出,流入状況について説明する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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