表面科学
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複合めっきによる新しい機能材料の作成と応用
松村 宗順大高 徹雄
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1994 年 15 巻 10 号 p. 656-659

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抄録

材料の加工技術は,あらゆる産業界において最も必要とされる技術であり,今日の産業基盤を支えるエレクトロニクスや精密加工機械などでは欠かすことのできない技術であり,現代の技術の最先端を創造しているといっても過言ではない。また,産業の経済性の観点からも必須技術である。近年の科学技術の進歩は,各種の極限状態の「機能」を求めるようになり,それらを満たしながらさらにより高度なものへと進展してきた。これらの機能を満足させるためには,今までと違った概念で「物」すなわち「材料」を考えていく必要がある。それには材料自体の改質という方法と,もう一つはその材料の表面だけを改質する二つの方法があり,最近では後者の表面改質技術でなされる手段が一般化しはじめている。「めっき」という表面処理の手法には,乾式法と湿式法の二つがある。歴史的には湿式法は近代の手法になって約200年あまりを経て長い経験が蓄積され,現在の技術となっている。最近の湿式法による新しい技術創製の手法としては「合金めっき」あるいは「複合めっき」などが注目を浴びている。特に本報ではその中でも機能性に富んだ「複合めっき」の新しい技術と応用について解説する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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