Si(111)表面での極薄非晶質Ge層の固相エピタキシー機構を,走査型トンネル顕微鏡を用い,特に,下地7×7再構成が固相エピタキシーにどのような影響を及ぼすかを焦点にして明らかにした。その影響は,Ge層の厚さに依存する。Ge膜厚が2原子層の場合,下地7×7再構成はGe結晶化の初期に破壊され,Ge固相エピタキシーに影響を及ぼさない。Ge膜厚が4原子層の場合,Ge層は7×7再構成を種としてエピタキシーするため,Ge層自身に7×7規則性が伝播する。また,Ge膜厚が4原子層を越えると,表面には格子緩和した3次元Ge島が形成される。このGe島は下地表面のステップと7×7再構成のドメイン境界に優先的に形成される。