表面科学
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超微粒子酸化チタン光触媒の開発
高岡 陽一安藤 均
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1995 年 16 巻 3 号 p. 209-212

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抄録

酸化チタン光触媒の脱臭への応用は,光触媒活性の高い大きな比表面積の超微粒子酸化チタンの開発が基本となる。悪臭は希薄ガスであり,光触媒反応の効率を上げるには光触媒の表面積を大きくし,吸着能力を高める必要がある。酸化チタンそのものは塩基性ガスに対して高い吸着能力をもっており,超微粒子化によって活性炭を上回る吸着能力をもたせることができる。酸性ガスは酸化チタン表面にほとんど吸着しないが,亜鉛の水酸化物で表面を修飾することによって吸着能力をもたせることができる。このように吸着能力を高めた超微粒子酸化チタンは単に吸着剤として優れているだけでなく,光触媒反応による高い脱臭効果をあわせもつ。紫外光を照射しながら光脱臭剤として使えるし,あるいは暗中で単なる吸着剤として用い,吸着によって飽和した吸着能力を紫外光照射によって再生することも可能である。

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© 社団法人 日本表面科学会
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