最近の表面技術の進歩について真空蒸着やスパッタリングのようなドライプロセスと電気めっき,陽極酸化のようなウエットプロセスに大別して解説した。前者のドライプロセスはクローズドシステムの容器中でガス反応により行われるのが一般で,この分野の進展は主にその装置の開発と価格によって普及の度合いが決まったといってよい。密閉容器中の反応であるため,その中で行われる反応をモニターするための測定装置も付随して重要である。このようにして表面分析装置の開発と共に進歩してきた。一方ウェットプロセスは電解質溶液中の化学反応が中心であるので,水溶液の化学である錯体化学,電気化学の基礎理論と共に進展してきた。大気開放下での反応が一般的であるが,最近の特長として完全密閉型の非水溶液反応や高温高圧条件での水熱反応も現れてきている。