ここで述べる周波数応答(FR)法の特色は,気体/表面の界面で起こっている諸現象に関する知見を,気相の体積を正弦波的に変動させたときに誘起される,ガス圧の変動を観測することによって得ようとする点にある。FR法は分光法に似た一種の共鳴法であるから,(i)ミラー指数の異なるさまざまな表面やエッジあるいは微細孔の存在などのために,混在しているさまざまな速度過程を区別して測定できることのほかに,(ii)吸着媒の量にはよらない(したがって,吸着サイトあるいは触媒の活性点当りの)速度定数を得ることができることが,この方法の大きな利点である。特にFR法を触媒反応系に適用した場合には,新規な速度定数が現れてくる。