表面科学
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半金属,グラファイトおよび雲母類の劈開面のSTM, AFMおよびLEEDによる観察と評価
杉田 利男吉田 巖
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1995 年 16 巻 11 号 p. 664-672

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抄録

層状物質は,劈開が容易で,原子尺度にて平坦な表面が得られ,STM,AFMの試料として最適なので,多数の研究が発表されている。本論文では,半金属(As,Sb,Bi,Te),グラファイトおよびフィロシリケート(タルク,雲母)の劈開面のSTM,AFMによる研究状況をレビューした。しかし,これまでに報告されているSTM,AFMの観察像は,それらの結晶学的構造と一致しない場合が多い。筆者らは,この原因は,「層状物質表面はガス吸着に対して不活性である」とする点にあるとして,高純度アルゴン雰囲気中で,結晶を劈開し,かつSTM,AFMの像を観察することを計画し,実行した。その結果,グラファイト表面で六員環構造が,また,白雲母の劈開面ではケイ酸四面体のO2-イオンの三角形配列が明確に観察される,など結晶学的原子配列とよく一致するSTM,AFM像を観察できることが確かめられた。

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