表面科学
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塗膜外観と顔料分散
小林 敏勝
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1995 年 16 巻 11 号 p. 705-709

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抄録

塗膜の光沢や隠蔽力などの外観品質は,塗膜中に含まれる顔料粒子の分散状態に大きく影響を受ける。顔料の分散状態を決定する因子としての,分散安定化をとりあげ,高外観を得るための条件について考える。実用的なレベルでの顔料の分散安定化は,樹脂の吸着によってのみ達成できる。顔料に対する樹脂吸着のドライビングフォースは,油性塗料系では酸塩基相互作用,水性塗料系では疎水相互作用が実用的である。樹脂・顔料の酸・塩基性度や親水・疎水性度と,塗膜外観との関係について実例を基に説明する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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