シリコンデバイスの微細化とともに, ゲート酸化膜は一層薄膜化され, SiO2膜の局所的な構造やSi/SiO2界面の平坦性が重要な問題となっている。これらの問題を解決するためには, 酸化膜形成時の表面反応の理解と原子スケールでの制御が必要となる。特に, シリコン表面の水素終端は, 自然酸化の抑制効果をもつのみならず, 表面反応の制御という点でも重要である。本報告では, 水素終端Si(100)表面での酸素分子の解離吸着および酸素原子の吸着状態を述べ, 酸化膜形成過程に与える水素の影響について明らかにする。