表面科学
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原子間力顕微鏡の進展の現状
山田 啓文
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1996 年 17 巻 1 号 p. 2-7

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抄録

原子間力顕微鏡は,その最初の論文が登場して以来10年が経過し,すでに表面科学などさまざまな分野において,原子・分子スケールの分解能をもつ表面微細構造分析法として定着している。しかしながら最近においても,原子間力顕微鏡を表面のナノメートル領域における種々の物性情報を取得する手段として応用するための新規手法の開発が精力的に進められている。本稿では,この数年の間に特に進展の著しい非接触動作ダイナミックモード,単一スピンによる力の検出を目指す磁気共鳴顕微鏡,ピコ秒レベルの超高速現象をとらえる時間分解AFM,分子間力測定による材料識別法,変位センサーを内蔵する微細加工カンチレバーの開発など最近のAFM関連研究の動向について報告する。

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© 社団法人 日本表面科学会
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