表面科学
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ひげ結晶と樹枝状結晶
岸 清
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1996 年 17 巻 4 号 p. 224-229

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抄録

周囲に熱を拡散させながら,あるいは遠方からの拡散による原料の供給を受けながら成長する結晶のなかにひげ結晶と樹枝状結晶がある。それらの成長機構ならびに性質を比較,説明する。前述の条件下で結晶を成長させると一般には曲面で覆われた樹枝状結晶となるが,これは完全結晶とはほど遠い性質を示す。これに対し,ひげ結晶は完全結晶に近く,丈夫な結晶として知られている。一見同様な環境の中で,ひげ結晶も成長する。その成長機構としては一方向性の成長を促進する“しかけ”を持つものと特別な“しかけ”なしに成長するものの両者がある。いずれの場合でも,ひげ結晶の成長には,拡散速度の異なる二種類以上のメディアの組合せが必要である。なお,表面にファセット(平な面)を示す樹枝状結晶のなかには,ひげ結晶と一般の樹枝状結晶との中間的な成長機構を示すものも存在するように見える。

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© 社団法人 日本表面科学会
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