表面科学
Online ISSN : 1881-4743
Print ISSN : 0388-5321
ISSN-L : 0388-5321
表面を利用したリン脂質小胞体へのDNAの自動封入
熊沢 紀之
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 17 巻 6 号 p. 328-334

詳細
抄録

細胞膜の基本構造は,脂質の二分子膜である。脂質分子の集合体は,二分子膜構造以外にも様々な形態をとることが可能であることが知られている。本稿では,人工的に二分子膜を作り出す実験法のノウハウとして伝えられてきた技術を,時間軸上の自己組織化過程と捉えて再検討した。このような自己組織化過程を利用することは,蛋白質を膜に対して方向性をもって組み込む際にも有用であることを示した。さらに,リン脂質の自己組織化機能を利用した実例として,細胞サイズの巨大リン脂質小胞体(リポソーム)内部にDNAを封入する新たな方法を紹介する。

著者関連情報
© 社団法人 日本表面科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top