超1Gbit級の半導体デバイスの実現に向けて, シリコン半導体表面の酸化反応を原子レベルで制御し, 絶縁性の高い極薄 (膜厚3nm以下の) 酸化膜を形成する技術が必要となりつつある。このためには, シリコン表面における酸化反応の原子過程やその機構などを包括的に理解することが不可欠である。ここでは, Si(001)表面の初期酸化過程で期待される酸素原子の吸着構造を中心に, その第一原理計算による最近の研究を紹介する。特に, 走査型トンネル顕微鏡を用いた, 酸素吸着による表面構造変化の観察方法について議論する。