表面科学
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はんだ(Sn-Pb合金)の表面
渡辺 正夫大久保 彰子
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1996 年 17 巻 2 号 p. 99-102

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抄録

はんだ付工程は,電子回路を組み立てるための欠くことのできない基本作業である。また,ほとんどのICのリードピン表面は,はんだでコートされている。この電子産業の基本技術が環境のPb汚染の観点から再考が求められている。Sn-Pb合金であるはんだ材からPbを取り除き金属接着の良い性能を維持することは容易ではないが,不可能ではないだろう。この視点から,本稿ははんだ接着に対するPb原子の役割,はんだ微粒子表面の性質,はんだの接着機構フラックス材の役割について簡単に紹介する。最後に新しい話題としてはんだ材のメカノケミカル反応につきわれわれの研究の一部を示す。はんだの接着力ははんだ中のSn原子が,はんだ付けされる金属と合金化することにより発現するが,摩擦運動によるAu表面でのはんだ接着力は,AuPb合金の生成によって起こる。

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© 社団法人 日本表面科学会
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