脳卒中
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中枢と末梢におけるノルアドレナリン系の活動
脳卒中患者における検討
神田 直東 邦彦稲福 徹也畑 隆志田崎 義昭
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1992 年 14 巻 3 号 p. 294-300

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抄録

脳卒中急性期には, 中枢及び末梢のノルアドレナリン系の機能充進がみられるが, この充進が中枢と末梢において随伴して起こるのか, あるいは充進の程度に解離があるのかどうかについて検討した.
対象は脳卒中発作により発症後72時間以内の急性期に入院した.脳出血42例, 脳血栓症35例, 心原性脳塞栓症 (以下脳塞栓症) 15例であり, 血漿ノルエピネフリン (NE) ならびに血漿と髄液3-methoxy-4-hydroxyphenyl-glycol (MHPG) を測定し, 病型別に検討した.
発症後14~28日の亜急性期においてはいずれの病型においても血漿MHPGと血漿NEの間に高い相関が認められるにもかかわらず, 発症後72時間以内の急性期においては脳塞栓症を除き相関を認めず, 急性期には病型によりノルアドレナリン系の機能充進の程度に中枢と末梢で解離があるものと推測された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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