1995年4月から1997年3月まで入院した虚血性脳血管障害368例の中で発症後1週間以内に入院となった急性期脳梗塞281例を対象とし,退院時転帰と病診連携の現況について検討した.急性期脳梗塞の65%が紹介患者であった.在院日数は当院入院日より当院退院までとし,他科転科後の入院日数も含めた.脳梗塞全体の転帰は平均在院日数31日で歩行64%,杖歩行5%,車椅子17%,寝たきり10%,死亡4%であった.281例中106例(38%)が転院となり,163例(58%)が自宅へ退院となった.臨床病型別の転院数(率)と平均在院日数は,ラクナ梗塞で104例中22例(21%)と26日,アテローム血栓性脳梗塞で71例中30例(42%)と30日,心原性脳塞栓症で86例中48例(56%)と39日であった.61日以上の長期入院例は281例中23例(8%)で,うち14例が心原性脳塞栓症で,その主な理由は合併症であった.神経学的重症度の高い心原性脳塞栓症で長期入院例が多く,かつ転院率が高かった.