肝臓
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体質性ICG排泄異常症を合併したGilbert病の1例
峯村 正実青山 圭一康山 俊学能澤 明宏正満 純子渋谷 隆市田 隆文井上 恭一佐々木 博
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1989 年 30 巻 7 号 p. 805-810

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抄録

BSP試験は正常でICG試験が高度の排泄異常を呈したGilbelt病の1例を報告した.症例は35歳の女性で,黄疸を主訴に入院し,血液生化学的検査において,貧血,溶血を認めず,間接型優位の高ビリルビン血症(総ビリルビン:3.3mg/dl,間接ビリルビン:2.4mg/dl)とICG試験で15分停滞率77.5%と高度の排泄異常を示した以外は,肝機能異常を認めなかった.腹部血管造影,腹腔鏡下肝生検などによる検査においても肝に著変を認めなかった.ニコチン酸投与による内因性ビリルビン負荷により,間接型ビリルビンの増加とその持続を認めた.またICG試験より算出した血中ICG消失率は0.014min-1と著しい低値を示し,かつ消失曲線はほぼ直線を示し,ICGの肝細胞への取り込み障害が示唆された.ICG試験で高度の排泄異常を伴うGilbelt病は少なく,本邦では本症例を含め11例報告されているにすぎず,これらをまとめ考察を加えた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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