肝臓
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C型慢性活動性肝炎に対する天然型インターフェロン-α1年以上長期投与での治療効果
荒瀬 康司茶山 一彰村島 直哉菅原 和彦鯉田 勲小林 正宏坪田 昭人鈴木 義之斎藤 聡池田 健次熊田 博光小林 万利子
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1997 年 38 巻 3 号 p. 140-145

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抄録

C型慢性活動性肝炎に対し天然型インターフェロン (以下IFN) α1回量6MUを2ないし8週間連日+週2~3回間歇で1年を越えて長期的に投与した26例につきIFN投与終了後の治療効果を検討した. IFN総投与量は762 (IU) ~1, 972 (IU) (中央値1, 236IU) であった. IFN終了後GPT正常かつHCV-RNA陰性が継続した著効は13例 (50%) であった. HCV-genotype 1bでみるとHCV-RNA量が106copy/ml以上では著効は23.1% (3/13) と低率であったが, HCV-RNA量が106copy/ml未満では著効は77.8% (7/9) と高率であった. HCV-genotypeが2a, 2bでは4例中3例 (75%) が著効であった. 従来難治といわれているHCV-genotype 1bでもHCV-RNAが106copy/ml未満であればIFN長期投与にて著効率が増加する可能性があると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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